インプラント/入れ歯
インプラント
▶インプラントとは
顎の骨にネジを埋め込み、その上に人工の歯を被せる方法です。
ブリッジや入れ歯のように、他の歯に影響を与えるようなことがないため、噛み心地は天然歯と変わりません。
また、見た目もキレイに仕上がります。
▶インプラントの材質
現在、世界で使用されているインプラントの大半はチタン製です。
なかには、そのチタンの表面にハイドロキシアパタイト(HA)をコーティングしたものもあります。いずれの材料も、骨へ強固に結合し、人工の歯根として機能します。また、チタン、HAともに骨や歯肉との相性(生体親和性)が良いということは、長年の研究で証明されています。
▶インプラントの構造
天然の歯は、骨の中の歯根(歯の根っこ)と言われる部分に支えられています。なんらかの原因で歯を失った場合、ブリッジや入れ歯、インプラントにより咬み合わせを作る必要があります。
インプラント治療では、まずインプラント(人工歯根)を骨に固定し、その上に歯の土台となるアバットメントというパーツを連結し、人工の歯を被せて修復します。周りの歯に負担をかけず、見た目も天然の歯とほとんど変わりません。
▶治療の流れ
◎診査・診断
・インプラントを埋め込む顎の形や噛み合わせを診査するため、お口の中の型をとります。
・ 顎の骨の量や質を検査するためレントゲン撮影、またはCT撮影を行います。
◎手術
麻酔をかけて行いますので痛みはありません。
骨を削りインプラントを埋め込み、蓋を取り付けて粘膜を閉じます。骨の状態などによって、術式が異なります。
【1回法の場合】
●1回法の手術の場合は、大きめの蓋を取り付け、お口の中にその蓋が見えるようにして手術を終了します。
【2回法の場合】
●2回法の手術の場合は、1度目の手術の治療期間終了後、粘膜を開けて、大きい蓋に取り替える二度目の手術を行います。
◎仮歯装着
・ 治療したところで場合によっては、仮歯を作り、実際に使用していただきながら形態や装着感などを確認します。
・ かみ合わせや強度に違和感があれば歯科医師と相談し、本歯の作成に向けてデータを集めていきます。
◎最終的な歯の装着
・ 仮歯の装着で得た情報を基に歯並びや色をチェックして最終的な本歯を作成します。
・ 作成した本歯を装着し、治療が完了します。
◎メインテナンス
・ 治療が終った後も、定期検診をしながらきちんと管理していきましょう。
▶インプラント治療例
治療例①★左下奥歯をインプラントで修復した例★
治療例②★下顎両側奥歯を4本のインプラントで修復した例★
治療例③★上下顎でインプラントを7本埴立した例★
▶よくあるご質問(Q&A)
A.1 以下の方はインプラント治療ができません。
・ 顎の骨の成長が終っていない年齢の方
・ 歯磨きなど日常の清掃が充分にできない方
・ チタンへのアレルギーを持っている方
・ アルコール依存症の方
・ 歯科医師と意思疎通がとれない方
・ 長期間、骨粗しょう症治療(BP製剤)を服用されている方
A.2 痛みはほとんど感じません。
手術中は麻酔をしっかりとかけますので、痛みはほとんど感じません。また、お口の中は体の他の部分と比べると、治りやすい部分でもあります。実際に手術をされた患者さんの感想は、思ったよりも楽だったというものがほとんどです。
A.3 通常、1本1時間~1時間半程度です
手術時間はインプラント体の数や手術の難易度によって異なり、
個人差がありますが、通常、1本1時間~1時間半程度です。
A.4 症状や治療の内容により負担費用額は異なります
症状や治療の内容により負担費用額は異なりますので歯科医師に
ご相談下さい。インプラント治療には健康保険が適用されませんが、医療費控除の対象になることもあります。
当院ではインプラントにかぶせる歯の違いにより、25~35万円となっております。
A.5 20年累積残存データとして、上顎90%以上、下顎95%以上
近年、インプラント治療の成功率は飛躍的に伸びています。20年累積残存データとして、上顎90%以上、下顎95%以上と言われています。これは上顎の骨質が下顎より弱いためです。40年以上使用している患者さんもいらっしゃいます。
A.6 定期検診とご自身による毎日のケアが必要です
歯科医師による定期検診とご自身による毎日のケアが必要となります。きちんとしたメンテナンスを継続することによって、インプラントを長く快適に使っていくことができます。
A.7 十分に安心して治療を受けることができます
インプラントに用いられる材料や手術方法は、技術の進歩により改良されてきました。また、手術を行う歯科医師には、インプラントに関連した幅広い知識と技術が要求されます。インプラントについて厳格な教育を受け、経験を重ねた歯科医師であれば、十分に安心して治療を受けることができます。
▶インプラントのメリット
当院のインプラントの特徴
▶①歯科用CTの導入
当院では、インプラントを安全に行うために、歯科用CTを導入してます。
3Dで撮影した画像を、コンピュータでデータ処理することで、断層写真を得ることができる装置です。
歯科用CTは、従来のレントゲンとは違い、骨の状態(質や厚み、高さ、形態など)を得ることができるため、的確な位置、角度、深さにインプラントを埋入することができます。
▶②万全の衛生管理
インプラント手術を行う際は、器具の滅菌はもちろん、個室診療室にて万全の準備の元で行います。
▶③定期的な研修
インプラント治療は日進月歩です。インプラント100時間セミナーを始めとして、骨が薄く、そのままではインプラントが植立できないケースに対応する方法(GBR、ソケットリフト、サイナスリフト)など、定期的に研修を積んでいます。インプラント治療の技術、精度をさらに上げて、皆様に少しでも役立てるように日々努力しています。
入れ歯
▶保険の入れ歯と自費の入れ歯の比較
保険が適用される入れ歯と自費の入れ歯を比較しました。
保険適用
自費(保険適用外)
人工歯の色・形の種類
少ない
バリエーションが豊富で、天然歯に近い形状を実現できる
床の種類
少ない
多い
装着時の感覚
違和感を感じる場合がある
違和感がほとんどない
強度
少し劣る
優れている
かみ心地
食事によっては食べにくい物がある
より良くかめる
保険適用
自費(保険適用外)
人工歯の色・形の種類
少ない
バリエーションが豊富で、天然歯に近い形状を実現できる
床の種類
少ない
多い
装着時の感覚
違和感を感じる場合がある
違和感がほとんどない
強度
少し劣る
優れている
かみ心地
食事によっては食べにくい物がある
より良くかめる
▶自費入れ歯の紹介
このように、保険適用外である自費の入れ歯はほとんどの項目で優れています。
保険適用の入れ歯でも十分満足されている方は当然いらっしゃいますが、使う材料や治療方法に制限がありますので、すべての方が満足されるわけではありません。
一方、自費の入れ歯は、より精密な型取りや表情に合わせた設計など、高い技術力・手間・時間を要し、歯科医師と歯科技工士が連携して作製します。
そのため、自費の入れ歯を選択される方が増えているのです。
ここでは、当院で取り扱っている自費入れ歯の一部をご紹介します。
シリコーン付き入れ歯
歯ぐきに接する部分を、生体用シリコーンというクッション素材で覆った入れ歯です。
この生体用シリコーンの弾性により、噛みしめた時の歯ぐきにかかる負担をやわらげ、痛みを軽減しています。
また、吸着力にも優れており、ズレにくく外れにくいのも特徴です。
★上下顎をセラミッククラウンとシリコン義歯で修復した例★
金属床入れ歯
「床」とよばれる歯ぐきに接する部分が金属でできている入れ歯です。
金属の種類は、ゴールドやコバルトクローム合金、チタン合金などがあります。
金属の強度を活かし、「床」の部分がレジンと比べて薄く作られています。
そのため、食べ物の温かさや冷たさを感じることができ、食事も楽しむことができます。
磁石式入れ歯(マグネットデンチャー)
残っている歯に磁性金属が埋め込まれた金属を取り付け、入れ歯側に取り付けた磁石とで固定する方法です。
強力な磁石を使用しているので、ズレたり外れるといった入れ歯の悩みを軽減することができます。
シンプルな構造なので、お手入れも簡単にできます。
インプラント義歯(インプラントオーバーデンチャー)
2~4本のインプラントを埋入して土台とし、入れ歯を装着する方法です。
インプラントオーバーデンチャーにはいくつか種類があります。
ボールタイプとよばれる、ホックで留める様に入れ歯とインプラントを連結させて固定させる方法と、バータイプとよばれる、埋入したインプラント同士をバーで連結し、入れ歯側に埋め込まれたクリップで固定する方法が代表的です。
(※画像はバータイプです。)
★上顎をインプラント義歯にて修復した例★
コーヌス義歯(テレスコープデンチャー)
土台となる歯と入れ歯にそれぞれ合った金属を取り付け、茶筒のふたのように固定する入れ歯です。
精密に作製されているため、安定性が非常に優れています。
★下顎をコーヌス義歯で修復した例★
CTの重要性
歯科用CTは、コンピュータによるデータ処理と画像の再構成により、立体的な断層写真を撮影する装置です。
従来のレントゲンでは2次元的な平面での診断しかできませんが、歯科用CTでは3次元の立体画像として診断することが可能なため、より多くの情報が得られます。
おもにインプラント治療や親知らずの抜歯、歯周病治療、根の治療などに用いられます。3Dによる詳細な画像は、ほかの撮影法では判別できない痛みや症状の原因究明に役立ちます。